| 私は何人目の来訪者?(登山口に置かれている不思議な機械の役割 - 入山者数カウントセンサー) |
時期:シーズン中(5月中旬〜10月中旬) 場所:鳩待峠、三平下、大江湿原、御池 観察テーマ:触る
環境省は平成元年から尾瀬の入山者数を計測しています。入山者が最も多かったのは平成8年で約64万人の人が訪れました。しかし平成10年以降は減少傾向をたどり、最近では30万人台を推移しています。 入山者数は各登山口に設置されたカウントセンサーで集計したものです。この結果から各登山口の入山・下山の人数が分かり、尾瀬を利用する登山者の行動を把握することができます。現在は鳩待峠を利用する人が最も多く全体の約6割です。またミズバショウやニッコウキスゲが満開となる時期の週末に利用が集中しており、この他の日との利用状況の格差が目立っています。こうした情報を事前に知っていただき、混雑を避けて尾瀬本来の魅力を味わっていただければと考えています。
 ■鳩待峠登山口に設置された「入山者数カウントセンサー」。右側を通過しよう
■動画による紹介(クリックすると表示されます)
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| 花と昆虫の契約(湿原植物の宝庫である尾瀬では、ある契約が昆虫と結ばれています - 虫媒花) |
時期:7月中旬〜9月上旬 場所:大江湿原 観察テーマ:触る
夏の湿原ではチョウやハチ、アブなどが蜜を集めるために花から花へと飛び交います。長いストローのような口を花に丁寧に差し込むチョウや、花の奥にゴソゴソともぐり込むハチやアブなど、蜜の集めかたも様々です。昆虫たちの蜜集めを観察していると、その体に花粉が付いているのが見られると思います。これは花が蜜を与える代わりに、花粉を他の花に運んでもらうという、共に生きるための契約を昆虫と結んでいるからなのです。こういった花粉の運搬を昆虫に頼っている植物のことを虫媒花と呼びます。 虫媒花には契約相手となる昆虫を選ぶこともしています。ノアザミの花の下部分(総苞片)や、イワショウブの茎を触るとネバネバしますが、これはアリの体に花粉を付けても、地面を歩いている内に花粉が落ちてしまうことから、地面から花へとやって来る昆虫を寄せ付けないための工夫なのです。 また、ノアザミの花を上からやさしく触ると、雄しべの先から白い花粉がニョキッと出てくるのが分かると思います。これは昆虫が花の上で動き回る時だけ花粉を出し、無駄使いしないよう節約をしているのです。
 ■ノアザミの密を吸うハナアブ。体には花粉がくっついている
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| 小さな森(草と木の違いを確かめよう - チングルマ、ヒメシャクナゲ) |
時期:6月中旬〜7月中旬 場所:沼尻、横田代 観察テーマ:触る
湿原の花々には草花だけでなく、樹の花も入り交じっています。樹木というと背丈が高いイメージがありますが、草とは木質(リグニンという物質が蓄積したもの)が作られていることで区別されています。 木道脇にチングルマやヒメシャクナゲが咲いていたら、根元のあたりをやさしく触ってみてください。そこには樹の幹や枝に似たものを見つけることができると思います。その植物全体を見渡すと、1つの株が根元で枝分かれし、広範囲に広がっていることが分かると思います。実は群生しているように見えるチングルマのお花畑も、本当は1本の樹であることがあります。
 ■チングルマ。群生しているように見えるが実は一株。樹であることを確認してみよう
 ■ヒメシャクナゲも湿原に育つ小さな森だ
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| 影の主役(軽くさわって、どれだけ水を含んでいるか確かめよう - ミズゴケ) |
時期:シーズン中(5月中旬〜10月中旬) 場所:大江湿原第一ベンチ付近、研究見本園 観察テーマ:触る
木道でしゃがんでみると、コケが一面に湿原を覆っていることが分かります。やさしく触ってみるとこのコケが意外に深く、また夏の炎天下でも湿っていることに驚くかもしれません。このコケは茎の部分にレトルト細胞と呼ばれる、水を沢山含むことができる袋状の部分があり、ミズゴケと呼ばれています。夏の強い日差しを避けることのできない湿原を、湿った状態に保ってくれるのも、ミズゴケが目立たぬ活躍をしているおかげなのです。 ミズゴケの仲間は世界に150種類ほどあり、尾瀬ではこの内21種類を見ることができます。しかし、見た目に区別がつくのは数種類で、特に高層湿原(高位泥炭地)では同じ場所に複数の種類が混ざっているのでほとんど見分けがつきません。 高層湿原にミズゴケが多いのはミズゴケ酸と呼ばれる酸性物質を出しているからで、酸によって他の植物が生活できない環境を作り、また微生物の働きを弱めることで泥炭の積み重なりを早めているからなのです。 こうしてミズゴケたちはまわりの環境を自分の居心地の良い場所に変えることで、特別な植物にしか生活できない湿原を作り、その湿原を支えているのです。
 ■自重の19倍の保水能力があるミズゴケ
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| オトシブミ(登山道に落ちている丸まった葉の中には・・・) |
時期:6月〜8月 場所:鳩待峠〜山ノ鼻、沼山峠〜大江湿原 観察テーマ:触る
尾瀬には不思議なものがたくさんありますが、オトシブミもその一つではないでしょうか。木道を歩いていると、道の上に葉の丸まったものを見つけることがあります。これは自然に丸まったものではなく、オトシブミという昆虫が作ったもので、葉の中には卵が産み付けられています。小さな体の虫が作ったとは思えないほど精巧に丸められ、拾い上げて見るたびに驚かされます。作り方はオトシブミの種類によって少しずつ違いますが、丸めた葉は、卵を守り、成虫となって外へ出るまでの食べ物としての大切な役割を担っています。 ちなみにオトシブミという名前は、江戸時代に秘密の手紙を丸め、道ばたに落として届けたという落とし文に由来しています。
 ■体が小さいため注意して見ないとオトシブミを見つけることは難しい
 ■卵が産み付けられ丸められた葉。「落とし文」に似ていることから名前が付けられた
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